―趣旨―



身体教育研究所は、身体(観)の多様性を肯定する立場から身体というものを研究しています。


それは身体を物質として捉えるのではなく、「経験としての身体」という視点から身体観そのものを再編集していく試みです。


自身が身体として経験し得る物理的現象と感覚的現象、この必ずしも一致しない両者を真/偽で捉えどちらかを否定するのではなく、むしろA/B並列的に捉えることでそのズレを肯定します。


言うまでもなく感覚とは曖昧で不安定な性質を持つものですが、その流動性を他者や場との関わりによって変化するひとつの運動性質として捉え直し、他者との関係性を自身の内に見出すことの追求を行っています。


ある運動の効率化を図る為の身体研究ではなく、身体(の新たな一面)を見つめ直すための運動を研究する場、それを稽古と呼んでいますが、そこで行われることの多くは「個に内在する他者性」を主なテーマとしています。


身体を丁寧に見つめていくことで浮き彫りにされる微細な変化や展開の連続は、個体としての自律的なものではなく、他者や場を前提とした相関的な運動であるという立場から稽古を行っています。


身体教育研究所が身体観の単一化(真理の追求)へと向かわず、身体観の多様化(差異の発見)へと向かうのは、そもそも身体が常に他者との関わりによって刻々と変化し続けるものであるからに他なりません。


個体としての身体から関係性としての身体へとその対象を変えた新しい体育の提唱は、身体を多様で連続的な経験として捉える身体観によって支えられ、他者と共に動く身体の教育へと展開します。


「他者の想定」という社会においても極めて重要な視点を、身体教育に取り入れることで広がる新たな可能性の探求が皆様の一助となれば幸いです。

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